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副鼻腔炎と後鼻漏

風邪を引いた後などに、こんな経験をしたことはないでしょうか。

鼻づまりが続く。ネバネバした鼻水がのどの奥に落ちる。何となく頭がボーッとしたり頭痛がする。顔を動かすと頬の奥が痛い。

これらの症状は副鼻腔炎(ふく びくうえん)や後鼻漏(こうびろう)かも知れません。

 

副鼻腔炎は日本人に多く、冷え、肩こり等と並び日本人の体質病と言えるものだそうです。以前は蓄膿症と呼ばれていましたが、最近は副鼻腔炎と呼ぶ事が多い様です。

 

一般的に思い起こす鼻の穴を鼻腔と言います。では、副鼻腔とはどの場所のことを指すでしょうか。

 

副鼻腔とは鼻腔の周りにある、左右4種類ずつ、合計8個の空洞の事を言います。

 これら8つの空洞は鼻腔と通じており、 鼻呼吸をすることで空気の交換が行われています。

 

 副鼻腔炎は、風邪などの様々な原因により副鼻腔の粘膜が腫れることで、鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴(自然孔)がふさがり、 換気ができなくなったり、 副鼻腔に溜まった膿を排出できなくなったりする病気です。 

 

 つまり、副鼻腔炎(蓄膿症)というのは、モノの例えではなく、実際に頭蓋骨の中に膿が溜まってしまっている病気なのです。

 

 副鼻腔炎になると頬や目の周りなどに痛みが出る事がありますが、排出できない膿が詰まり、顔を圧迫しているのが原因です。

 

 一次的な急性副鼻腔炎であればまだしも、慢性化すると何年も頭痛などに悩み、記憶力の低下などの症状も起こりやすくなります。学生さんなどは副鼻腔炎が改善すると、成績がアップする事が多くあります。

 さらには鼻腔から排出できない膿が溜まり、のどに落ちていく場合もあります。この症状を後鼻漏と呼びますが、のどの不快感という症状ながら、原因は鼻にあるのです。

 

 後鼻漏はのどに膿が垂れていくため、のどにヘバリ付き、それを排出するために咳が出たり、のどから胃まで落ちてゆく事で胃を荒らすこともあります。とても不快に感じる場合が多い症状です。

 

 原因は、上記の様に風邪等が原因の場合だけでなく、アレルギーが関係している場合、真菌(カビ)が関係している場合など様々です。

 

 風邪の場合、アレルギーの場合、真菌の場合、いずれも全身の免疫力が低下、もしくは正常に働いていない、つまり根本的には体質が原因といえます。

 

 また、意外に感じるかもしれませんが虫歯が原因の場合もあります。歯の歯肉部分の炎症が拡大し、近くに位置する副鼻腔まで広がってしまう事があるのです。その場合は歯医者さんへ受診なさってください。

 

 しっかりと治していく為の道筋としては、症状を取る事と、体質を良くする事を合わせて行ってゆく必要があります。

 

 症状を取るだけでは同じような症状が再発する事が多いですし、体質を良くするだけでは今の辛い症状が治まりません。両方の面からケアしていく事が大切です。また、手術をしても原因によっては再発しやすい場合もあります。

 

 症状を取る方法としては、膿が溜まっているわけですから①その膿を排出する ②排出しやすいように炎症を抑えて鼻の通りを良くする ③頭部の水分(膿も水分)バランスを整える という3つの方法があります。

 

 さらに、膿がたまりやすい体質を改善する方法として①代謝をよくするために肝臓の解毒力を高める ②腸内環境と肺を強めて免疫を整える ③膿の原因となる細菌やウイルスを防御する皮膚・粘膜を強くする という方法があります。

 

 こういった道筋で、漢方薬等を使いつつ、数か月から半年程度は継続する必要があります。

 大変と感じるかもしれませんが、根気強く継続する事で体質が改善し、症状が治まってきます。

 

 鼻がスッキリすると非常に爽快です! お悩みの方はぜひご相談下さい。