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認知症と匂い

現代の超高齢社会日本において、無視できない社会問題として認知症があります。

 

認知症はいくつかの段階に分けられています。

 

健常者から「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる移行期を経て、軽度認知症・中度認知症・重度認知症と変わってゆきます。

 

通常、認知症と呼ばれる状態にまで移行すると、健常に戻すことは難しいとされ、進行を遅らせることが治療の目的になります。

 

ですが、日本神経学会の「認知症疾患診療ガイドライン2017」によれば、移行期のMCIの状態であれば、健常な元の状態へ回復することも可能だというのです。

その確率は16~41%とのことです。

 

軽度であれば、最大4割の方が通常の状態へ戻れるというのは非常に大きい事といえます。

 

ここで重要になってくるのがMCIの状態を見つけること。

 

MCI状態の方はおよそ5年以内に50%が認知症状態になるとされています。

MCIから状態を進ませず、治療を開始することが大切になります。

 

また、MCIのうちに治療等を開始することが出来れば、ご本人や周りの方々にとっても、認知症に対する理解を深める事もでき、今後の方針を相談することもできます。

 

MCIかどうかを見つけることは非常にメリットが大きいといえます。

 

ただ、MCIは軽度、つまり正常な状態と認知症の中間であり、多少、認知機能に低下がみられるものの、日常生活に支障をきたすほどではない状態を指します。

 

65歳以上でMCIの人の割合は15~25%と推定されており、MCIであることが気づかれないままになっている人も少なくないと考えられます。

 

つまり、MCIになっている方は多いものの、検査をするまでは分からないケースが多く、発見が遅くなりがち・・・という方が多いと考えられるのです。

 

 

 

そのMCIを発見する方法として注目されている方法として「匂い」があります。

嗅覚異常は認知症の症状として大きなウエイトを占めており、認知症が発症する7年前から嗅覚を感じにくくなっているという報告があります。

 

 日本認知症予防学会理事長を務める「認知症診断・予防」の第一人者、鳥取大学の浦上克哉教授によれば、匂いと認知症は大きな関係があるとのことです。

 

嗅覚は海馬や偏桃体といった、脳内の記憶にかかわる部分と密接に結びついます。

嗅覚が匂いを感じると、海馬や偏桃体から「その匂いは〇〇の匂いだ」という情報が出力されますが、認知機能が低下しているとその情報が流れ来ないため、「この匂いは何の匂いだっけ?」という事になるのです。

 

そのため、 嗅覚の異常を発見することが、認知症の前触れであるMCIを見つける事に繋がる可能性があるのです。

 

もし、鼻づまり等のコレといった原因が思い当たらずに嗅覚の異常を感じた場合は、ぜひご相談下さい。

 

香りによる認知機能のスクリーニングキットでチェックさせて頂く事が出来ます。